彼は、ただ待ち続けた。
待つ、という、その感覚すら分からぬままで、ただただ待ち続けた。
否、其れは「彼」ではない。「彼女」でもない。其れには性の別はない。老いも若いもない。巨も小もない。其れは「魂」と、そう称されるに似たものを有する絶対的な無機質。自らが名乗るまでもなく、常闇ノ皇と、そう眷属どもに崇め称されるもの。
其れは何時から在ったのか。光と闇が何時生まれたのか、と其の問いに答えられる者はおらぬように、誰にも分からぬ。其れ自身も知らぬ。
其れは何処から出でたのか。光と闇が何処で生まれたのか、誰にも知れぬ様に、其れ自身にも覚えなぞない。
そうだ。其れには悲喜はなく、思考もなく、自己を顕す心がない。
ただ、其れは待ち続けた。在るが故に待ち続けた。
全ての息吹くものたちは其れを恐れる。あれは恐ろしい。良くないものだ。近付いてはならぬ。あれは破壊しか為さぬ。あれは奪うことしか知らぬ。狂わされてしまう。見れば目玉が潰れるぞ。
だが、其の様なこと、其れが手を下さずとも、眷属どもが勝手に為した。嬉しくもなかったが目障りでもなかった。ただ、眷属どもは我先と、ことを為した。だから其れはただ待った。
呑まなければ。
侵さなければ。
包まなければ。
潰さなければ。
覆わなければ。
光は、光自身に意図があろうとなかろうと、闇を押し除け、消し去る。そういう風にして在る。だから其れも、光に対せよと、闇としての属性がこだまする。
嗚呼。
はやくこい。はやくこい。
今度こそ今度こそ、うぬを喰らい血を被ろう。光消し去り我が内に入れようぞ。まだか。まだか。白き狼の慈母よ。100年前に聞きそびれた声を聞かせよ。
はやくこい。はやくこい。
はやくこい。はやくこい。。
百年の間、
乞う。
2007.01.22. そして百年の間、恋うておうったのかも知れない。
常闇ノ皇。
戦闘中、巨大な手がにゅ、と生えるが。手とは何の為にあるものなのだろう。手とは乞うもの縋るもの掴むもの。祈りの為に必要なもの。そういう妄想。
戦闘の合間にある勝利の遠吠えがあまりにも淋しくて悲しくて、後半、涙で画面が見えないという罠が仕込まれていたラスボス戦